抄録
窩洞中のコンポジットレジンが硬化するときに発生する力は, 歯質に応力を発生させるから, 収縮応力の発生機序をしらべることは重要である.コンポジットレジンの収縮応力を測定するための装置を試作した.そして, 化学重合型と光重合型レジンの収縮力を測定し, 応力発生の機序を検討した.その結果, 収縮応力は始め増加し, その後窩壁からの剥離を生じて急激に低下した.開放型窩洞での収縮応力は閉鎖型窩洞に比べると小さく, 化学重合型は光重合型より応力の発生が速いが, 最大値はほぼ同じであることがわかった.