歯科材料・器械
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11 巻, 4 号
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原著
  • 宮川 修, 渡辺 孝一, 大川 成剛, 中野 周二, 本間 ヒロ, 塩川 延洋, 小林 正義, 田村 久司
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 559-569
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    シリカ-アルミナ-リン酸塩埋没材の鋳型に鋳造したチタンの変形・破壊機構を三点曲げ試験, アコースティックエミッション(AE)解析, および光顕観察によって検討した.表層に生成するαケースのために, 鋳造体の弾性限と最大荷重は高いが, 酸洗いによって低下する.As-castの場合は, 巨視的な弾性変形の過程で既に, クラックはαケースからSi, P-rich層を通って針状組織層内まで進展し, 塑性変形の過程で開口する.室温鋳型の場合は, 低い振幅のAEが変形の全過程にわたりほぼ一定の発生率で検出された.これは引張側表層においてクラック発生・進展・開口の領域が中央から両側支点に向かって拡大する過程である.800℃鋳型の場合は, 弾性限に至る前に, 低い振幅ではあるが, 累積エネルギの大きい連続型AEが発生した.これは多くの一次クラックがほぼ同時期に進展し始めるためと考えられる.塑性変形過程の後半からは荷重が大きく低下し, AE発生率も減少した.これは中央付近の主クラックが内部組織を連続的に進展する過程で, 内部組織のクラック進展抵抗は小さい.表層を除去した場合のAEは, 弾性変形過程では発生せず, 塑性変形の過程でも少なかったが, 高い振幅のAEがかなり混じっていた.高い振幅のAE発生の原因は不明である.
  • 斎藤 設雄, 市丸 俊夫
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 570-577
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    硬質セッコウ模型はアルジネート印象材との組合せにより面荒れを生じることがある.本実験は界面活性剤溶液でアルジネート印象材を練和することによって, 硬質セッコウの面荒れの改善を図るとともに, 有効な活性剤について探索を試みたものである.実験で使用した活性剤のうち, 4組の印象材-硬質セッコウの組合せすべてに対して, 陽イオン界面活性剤コータミン24Pが有効であり, その1%溶液が面荒れ改善に最も効果的であった.24P溶液は印象材のゲル化反応を幾分抑制し, 印象材の弾性歪みを増加させるが, その影響は小さく, ゲル化した印象面からの水分揮散量に対する影響も少なかった.また, 硬質セッコウに対して硬化遅延剤としての作用も認められた.一方, 硬化時に硬質セッコウが接する面のヌレ性と硬質セッコウの面粗さとの間には有意な差が見られた.
  • 齋藤 仁弘, 井上 達也, 松倉 一夫, 三野 元崇, 榊原 茂弘, 藤波 剛, 西山 實
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 578-583
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    仮封用セメントの熱的性質について検討するために, クセノン・フラッシュ法を用いてカルボキシレート系, ユージノール系およびノージノール系の各セメントの熱拡散率, 比熱容量および熱伝導率を測定した.熱拡散率は, カルボキシレート系では0.2918〜0.4444×10-2cm2s-1で, ユージノール系およびノージノール系では0.1454〜0.2574×10-2cm2s-1であった.比熱容量は, カルボキシレート系では1.1558〜1.5938Jg-1K-1で, ユージノール系およびノージノール系では0.7500〜0.9004Jg-1K-1であった.熱伝導率は, カルボキシレート系では1.0293〜1.4616Wm-1K-1で, ユージノール系およびノージノール系では0.2497〜0.3779Wm-1K-1であった.
  • 浅岡 憲三, 河野 文昭, 桑山 則彦
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 584-591
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    アマルガムの辺縁破壊がクリープと関係していることが知られている.そこで, 各種アマルガムのクリープの応力, 時間, 温度依存性が調べられてきた.しかし, アマルガムのクリープ特性と窩洞内でのクリープとの関係については, 定性的な推論がなされてきたにすぎない.本研究ではアマルガムの定常クリープひずみの応力, 時間依存が, εc=kσmtnで表されると仮定して, 軸対称弾性クリープ有限要素法により, 一級窩洞内でのアマルガムのクリープ挙動を解析した.ここで, 応力依存の指数mは2.0, 時間依存の指数nは1.0とした.また, アマルガムのクリープ値はADASの表示方法で0.1, 1.0と8.0%の合金を想定し, 咬合力は残存歯質に40Nの力が歯軸に垂直に加わると仮定した.その結果, 窩洞に充填されたアマルガムは応力が低くなるようクリープ変形し, クリープ速度が応力の関数であるところから, 窩洞内でのクリープひずみは直線的には増大しないことが明らかにされた.また, 充填物をもたない残存歯質の弾性変形がアマルガムのクリープと窩壁と充填材料の隙間を決める重要な因子であると推定された.
  • 黒澤 茂務, 日比野 靖
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 592-602
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は合着用セメントの被着体に対する接触角と接着強さの相関性について検討することである.4種類の歯科用合金(Au-Ag-Cu合金, Ag-Pd合金, Ni-Cr合金ならびにチタン)ならびに象牙質に対する合着用セメント(リン酸亜鉛セメント, カルボキシレートセメント, グラスアイオノマーセメントおよび接着性レジンセメント)の接触角の測定を行った.シリコンカーバイドペーパー600番で研磨した各歯科用合金ならびに象牙質上にセメント泥0.2ml滴下し, セメント硬化後シリコーン印象材にて印象採得しレプリカ模型を作製した.レプリカ模型を切断し, 写真撮影し, 写真上にて接触角の測定を行った.引張接着強さの測定はすでに報告した方法に従い行った.その結果, 歯科用合金の種類を問わず接着性レジンセメントの接触角が最も小さい値を示しリン酸亜鉛セメントが最も大きな値を示した.引張接着強さについては接着性レジンセメントが最も大きな結果が得られた.セメントの接触角と接着強さの間には有意な相関関係が認められ, その相関係数は-0.895であった.本研究より合着用セメントのぬれはセメントの接着特性の1つの因子であることが示唆された.
  • 橋本 弘一, 黒岩 昭弘, 和田 賢一, 日比野 靖, 胡内 秀規, 橋本 孝雄, 長谷川 裕司, 安藤 芳昭, 赤岩 祐一
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 603-614
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    チタン鋳造の鋳型壁面に高純度酸化物ペレットを用い, チタン鋳造体表面の反応生成物に関する基礎的研究を行い, また予備的実験として, 表面の色彩的な変化と生成物の相関を求めるため高純度チタン板に加熱処理を行った.それぞれの表面を入射角2度の薄膜PSPC法およびEPMAなどで検討したところ次のような結果が得られた.高純度チタン板を大気中で加熱処理すると, 表面の主要な生成物はルチルであり, そして, このルチルの生成は900℃以上で急激に増加した.一方, 600℃以下の着色の成因である生成物は, 今回の薄膜PSPC法の条件では決定できなかった.実際のチタン鋳造の工程を経たチタン鋳造体の表面層では, 鋳型壁に用いた各種の高純度酸化物ペレット中の主要な元素の侵入深さは, 石英>アルミナ>マグネシアおよびジルコニアの順に大きく, チタベストPSは石英に次いで大きかった.鋳型温度900℃の場合, チタン鋳造体表面へのシリコンの侵入深さは鋳型表面のシリコン濃度に依存し, シリコン濃度が一定の場合その侵入深さは鋳型温度に依存した.またシリコンが侵入したチタン鋳造体表面の凝固層組織は, 鋳型温度によって変化した.
  • 岩堀 正俊
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 615-627
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    サーマルサイクリングによるリライニング用レジンの劣化について検討した.化学重合型リライニング用レジン, 光重合型リライニング用レジンおよび加熱重合型床用レジンを実験に用いた.各レジンを重合し, 4〜60℃のサーマルサイクリングを10, 000回負荷し試料とした.また14日間37℃蒸留水中に浸漬したものも試料とした.表面粗さ, 光沢度, 色調, ヌープ硬さ, 接触角, 耐摩耗性, 菌付着性およびSEM観察について検討を行った.サーマルサイクリング後のレジンの表面粗さ, 色調, 光沢度, 耐摩耗性および菌付着性は37℃水中浸漬のレジンのそれよりも大きく変化した.特に化学重合型レジンはその影響を大きく受けた.
  • 越前谷 亨
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 628-641
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    金属と4-META/MMA-TBBO系レジンとの界面現象を理解するために, 金属表面上に存在する水酸基の量と吸着レジン量との関係を調べた.また, レジン中の官能基の, 金属表面に対する相対的な配向状態および金属とレジンとの結合状態を高感度反射装置を備えたフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR-RAS)およびX線光電子分光分析(XPS)により調べた.その結果, 水酸基量が増大するにつれて金属表面に吸着するレジン量が増大した.加えて, 非貴金属の場合, レジン中の極性基のC=O軸やC-O軸が金属表面に対し, 相対的に垂直に存在し, 界面では金属錯体を形成していた.一方, 貴金属の場合にはそのような現象は起こらなかった.それゆえ, 4-META/MMA-TBBO系レジンは貴金属よりも非貴金属に対してより強く接着する.
  • 有川 裕之, 寺尾 隆治, 蟹江 隆人, 藤井 孝一, 井上 勝一郎, 門川 明彦, 濱野 徹
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 642-646
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    現在市販されているアクリル系5種類, シリコーン系3種類, フルオロ系, オレフィン系各1種類の計10種類の義歯床用軟性裏装材について, 操作時間および硬化時間, 粘度, 弾性回復率, 弾性率, ゴム硬さ, 寸法変化率の測定を行った.操作時間は最も短いもので2.5分, 最も長いもので17.0分であった.硬化時間は最も短いもので3.8分, 最も長いもので14.3分であった.粘度は1種類を除いて練和後比較的短時間で上昇し始め, とくにシリコーン系材料は急激な上昇を示した.弾性回復率は遅いものでも練和開始後約9分で90%以上に達した.練和開始後30分での弾性率の値は1.51〜2.74×106dyne/cm2で、口腔粘膜組織の弾性率(0.7〜4.4×107dyne/cm2)よりもかなり低い値にとどまった.ゴム硬さはオレフィン系材料と1種類のアクリル系材料(加熱型)が高い値を示した.弾性率, ゴム硬さともアクリル系以外の材料については経時的変化(30日後)は比較的小さかった.アクリル系材料は練和開始後2〜5時間まで膨張し, 最も大きいもので1.6%の寸法変化率を示した.
  • 野本 理恵, 平澤 忠
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 647-655
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    インレー用コンポジットレジンの耐久性を沸騰水に浸漬することおよび熱サイクルを与えることにより評価した.沸騰水浸漬に対する耐久性において, 曲げ強さおよび弾性係数はともに沸騰水に浸漬することにより低下したが, 沸騰水浸漬5日以後30日までは浸漬時間の影響はあまり認められなかった.表面のヌープかたさは沸騰水浸漬5日まで急激に低下し, 浸漬30日ではかたさ値は約20となった.表面からの深さ方向に対するかたさの変化から, 沸騰水が表面下0.4〜0.8mmの深さまで影響を及ぼしていることが示唆された.熱サイクルに対する耐久性において, 曲げ強さおよび弾性係数は熱サイクルを与えることにより低下したが, 1万回以上では回数による影響は認められなかった.以上, 曲げ強さおよび弾性係数, 表面かたさは沸騰水浸漬5日後でほぼ一定となり, 沸騰水浸漬試験は, 5日間と短期間で, コンポジットレジンの耐久性を評価するのに有効であると考えられる.また, 試験片内部の深さ方向に対するかたさの変化を調べることは, 劣化の状態を評価するのに適していると思われた.
  • 浅岡 憲三, S.M.AKKAS Ali, 桑山 則彦
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 656-661
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    徐冷, 空冷, 強制冷却した焼付用陶材表面の破壊靱性と残留応力を微小圧子圧入破壊(IM)法により調べた.IM法により測定された破壊靱性をWeibullプロットして, 形状母数を計算した結果は徐冷した陶材で, 7.7〜9.1であった.Temperingした陶材についても, ほぼ同じ値であった.形状母数から, 陶材使用にあたっての安全係数は危険率10-5に対して3.4〜4.9と見積もられた.空冷, 強制冷却した陶材の表面残留応力は, median crackの長さから, 26〜28および64〜88MPaと計算された.この結果はAsaoka et al.のコンピュータシミュレーションによる残留応力の推定結果と良く一致した.しかし, ガラス転移温度域で冷却中に結晶化する陶材では, 残留応力をもたない参照試料の作製が困難なため, 残留応力は測定できなかった.以上の結果から, ここでの方法が陶材補綴物の微小部分の破壊靱性, 残留応力の測定に適用できる可能性と問題点が示された.
  • 渡辺 孝一, 大川 成剛, 宮川 修, 中野 周二, 本間 ヒロ, 塩川 延洋, 小林 正義
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 662-671
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    チタン鋳造において, 鋳型材成分とチタン溶湯との界面反応について, 鋳型空洞内における湯流れの観点から検討した.その結果, チタン溶湯により, 石英ガラスの表面が分解し, 酸素はチタンと共にα-ケースを最表面に生成し, Siはチタン溶湯にとけ込んで一緒に流れ, Si高濃度汚染層を形成することが分かった.Siを含んだ溶湯が流れるため汚染が内部に広がる場合があり, その機構として, (1)鋳造体表面の凹み状欠陥, (2)溶湯の衝突, (3)乱流でのイジェクションが確認された.また汚染されたチタン溶湯は粘性係数が増加すると予想されるため, 流動抵抗が増加し, 鋳造性が悪くなることが推定される.
  • 土居 寿, 米山 隆之, 小竹 雅人, 浜中 人士
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 672-678
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    チタンの歯科鋳造技術はここ数年めざましい発展を遂げている.しかしチタンは溶融状態では非常に活性が高く, 鋳造体表面に鋳型との反応層を形成する.この報告では, チタン鋳造体の反応層の腐食特性について, 生理食塩水中での電気化学的手法およびSEMによる観察により検討した.3つの表面状態について試験を行った.条件Aは鋳型から取り出し超音波洗浄機により洗浄しただけのもの, Bはサンドブラストしたもの, Cは500μm以上研磨し表面仕上げをしたものである.条件Aの表面は他の条件よりも耐食性は低かったが, Ni-Cr合金, Co-Cr合金, 銀合金などの歯科用合金と比較すると高い耐食性を示した.表面状態の条件Bのボルタモグラムは, 条件Cの場合とほとんど同じであった.条件Bの表面状態のSEMによる試験前後の観察からは, 大きな変化は認められなかった.結果として, チタン鋳造体の表面の反応層は, 静的な条件の下では, 耐食性に関する信頼性は高いと考えられる.
  • 福島 忠男, 宮崎 光治, 井上 廣
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 679-684
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    光重合型コンポジットレジンの象牙質への接着性を改善するために, N-Methylolmethacrylamideとマレイン酸を含む水溶液であるセルフエッチングデンチンプライマー(M-MEMA)を試作した.Scotchbond_2(SB2), Scotchbond(SB)およびClearfil Photo Bond(CP)を塗布したM-MEMA処理象牙質へのSiluxおよびPhoto Clearfil Aの接着力はScotchprep(SP)処理象牙質より有意に高くなっていた.処理象牙質表面の象牙細管はいずれも開口し, M-MEMA処理の方が開口は大きく, 管間象牙質も粗造であることがSEM観察で明らかとなった.また, 処理層の厚さはいずれも約1.5μmであった.接着界面に厚さの異なる耐酸性象牙質層がSEMで観察でき, 層の厚さはSB2で約2μm, その他は約1μm弱であった.接着破壊は接着界面剥離か接着界面近傍の凝集破壊のいずれかであることが, SEM観察で明らかとなった.
  • 赤尾 剛, 中村 隆志, 丸山 剛郎, 高橋 純造, 荘村 泰治, 木村 博
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 685-691
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    ラミネートベニア修復物の仕上りは, 一連の複雑な工程や技工士の熟練度によって影響を受ける.この問題点の解決法のひとつとして, コンピュータ技術を応用したラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムの開発を試みた.その第一段階として, レーザ変位計とコンピュータ制御3軸走査モデリングマシンCAMM-3を組合せた歯牙模型形状自動計測システムを開発し, その計測精度を検討した.その結果, 模型の色調を灰色に決定にし, レーザ変位計と模型表面の距離を常に一定に保ちながら走査する追随式計測法をとることによって, 最も精度良く計測することができようになった.このシステムを使用して, 上顎前歯模型表面の形状を計測し, 精度の高い三次元形状データを得ることができた.
  • 小松 光一, 西山 典宏, 根本 君也, 上原 信録, 堀江 港三
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 692-696
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    コンポジットレジンの硬化時の収縮に伴う寸法変化を測定するために線収縮測定装置を試作し, コンポジットレジンのフィラー充填率が長さ方向の線収縮率に, どのような影響を与えるか調べた.その結果, モノマー, ポリマーおよびフィラーの密度から求めた理論的な線収縮率に比べて, 実測の線収縮率はフィラー体積率の低い条件で小さい値を示した.これは, コンポジットレジンの粘度が非常に低く, フローが生じているためである.しかし, フィラーの充填率が高くなると, 線収縮率は理論値に近似した.これは, 硬化時のレジンペーストのフローが小さくなるため, 収縮が等方的に生じているためである.
  • 根本 君也, 小松 光一, 堀江 港三, 友常 健一, ボウエン ラファエル
    原稿種別: 原著
    1992 年 11 巻 4 号 p. 697-702
    発行日: 1992/07/25
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    窩洞中のコンポジットレジンが硬化するときに発生する力は, 歯質に応力を発生させるから, 収縮応力の発生機序をしらべることは重要である.コンポジットレジンの収縮応力を測定するための装置を試作した.そして, 化学重合型と光重合型レジンの収縮力を測定し, 応力発生の機序を検討した.その結果, 収縮応力は始め増加し, その後窩壁からの剥離を生じて急激に低下した.開放型窩洞での収縮応力は閉鎖型窩洞に比べると小さく, 化学重合型は光重合型より応力の発生が速いが, 最大値はほぼ同じであることがわかった.
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