抄録
Ca/P比の異なるMg含有ヒドロキシアパタイト粉末を焼結して得られたセラミックスの界面反応挙動について, 無機電解質のほかに牛血清を含んだ液を用いて調査した.
本原料を用いることによって, 1, 200℃でも安定なβTCP-HAP2相混合セラミックスが得られた.これらのセラミックスはβTCP量の多いほど, 液中に血清成分が存在すると溶解しやすいが, αTCPに比べて1/3で, Mgの溶出も1ppm以下であった.
本セラミックスはCaおよびPが飽和状態では試料表面にHAP微粒子が析出し, αTCPに比べてin vitroで安定性が高く, 生体内でも親和性が良好であると考えられた.