抄録
アルジネート印象材のポビドンヨード溶液中の吸水膨張を抑制するため, 2, 5, 10v/v%エタノールを添加して印象体を浸漬法とスプレー法で処理し, 寸法変化と模型の表面粗さおよびうねりを測定した.そして模型表面が安定する適切なエタノール添加量と処理時間とを検討した.その結果, エタノールの添加によってアルジネート印象体の溶液中での膨張が抑制された.模型のうねりは, 印象の寸法変化と反対方向で対応した.処理時間15分間で, 表面性状の良好な模型が得られるエタノール添加量は, 浸漬法では7〜8%, スプレー法では5〜10%と推定された.