抄録
歯科鋳造作業を迅速にする目的で, 市販の急速加熱型石膏系埋没材の特性について従来のクリストバライト石膏系埋没材と比較検討した.その結果, この埋没材は流動性が大きく, 硬化時の寸法変化が大きく, 加熱膨張が石英とクリストバライトによって起こるがやや小さく, 生型強度は1.6〜4.3MPaであった.急速加熱時には埋没材内で300℃以上の温度差が生じていたが, 急速加熱型埋没材で製作した鋳造体表面に問題はなかった.しかし, 鋳造精度を考えると埋没材の昇温開始時期などについての検討の必要性が示唆された.