歯科材料・器械
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原著
マイクロ波加硫によるLTVビニルシリコーンゴムと床用金属材との接着II : 金属被着面の表面処理と接着強さ
廣瀬 英晴林 純子山中 信幸堀江 康夫金子 和幸米山 千鶴子西山 實
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1994 年 13 巻 2 号 p. 140-148

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抄録
床用金属とビニルシリコーンゴムとの接着強さの向上を図ることを目的とし, 金属面を表面処理した場合の接着強さを検討した.床用金属としては, Co-Cr合金2種およびNi-Cr合金1種を用い, 対照として純銅板(30×10×1.5mm)を用いた.シリコーンゴムは, RTV-LTV両用型の2種, LTV専用型1種のビニルシリコーンゴム(VS)およびエポキシ変性特殊シリコーンゴム(EPS, 弾性接着剤)1種の計4種を用いた.鋳造した床用金属板(30×10×1.5mm)と純銅板は, サンドブラスト処理および研磨紙(#1000)で研磨してコントロール試料とした.金属面の表面処理は, シリコーンプライマー4種で化学的に処理した場合および研磨紙#600あるいはサンドブラスターで機械的に処理した場合とした.金属板は, 接着面積を10×10mmとし, 重ね継ぎ手の形状でシリコーンゴムの厚さが1または3mmとなるようにFRPフラスク中に石こうで埋没後, シリコーンゴムを塡入し加硫した.マイクロ波による加硫は, 出力500Wで7分とした.VSと金属との接着強さは, プライマーを用いた化学的表面処理では, いずれもコントロールのそれより小さな値であった.機械的表面処理での接着強さは, #600処理でコントロールのそれより大きな値を示す傾向であったが, その差は有意ではなかった.EPSと金属との接着強さは, #600+SB処理で最も大きく, 厚さが1mmの条件では4.3-5.3MPaを示し, 次いで#1000+SB処理および#600処理の順であった.
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© 1994 一般社団法人 日本歯科理工学会
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