1994 年 13 巻 3 号 p. 270-276
側鎖にスピロオルソエステルを持つアクリレート(ASOE, MASOE)と光増感剤(ベンゾインBz, ベンゾフェノンBp, ベンゾインエチルエーテルBe, ペリレンPe)/スルホニウム塩(BSS)系の光増感重合を光反応熱測定装置(水銀・キセノンランプ)を用いて検討した.その結果, Bz, Bp, Beは297〜約500nmの波長によるBSSの光分解を増感した.しかし, PeはBSSを含むASOEおよびMASOEの光重合を阻害した.ASOEは光増感重合においてMASOEより高い重合熱を示した.その重合熱は水銀-キセノンランプの照射光が全波長>313nm>365nmの順に減少した.約1630cm-1および1070cm-1のピークの減少等の赤外吸収スペクトルの変化から, 両モノマー中の二重結合およびスピロオルソエステル基の両方の基の重合が確認された.