デュアルキュアー型レジンセメントの光重合性およびレドックス重合性を赤外線吸収スペクトル法によって検討した. その結果, レジンセメントのレドックス重合機能は未硬化の状態では有効に働くが, 低い二重結合反応率であってもレジンがゲル化していると十分には機能せず, 不均一な光照射によってもたらされた不均一な硬化状態が37℃1日経過後にも認められた. ゲル化したレジンに対しては, 光重合のほうがレドックス重合よりもたやすく反応率を向上させた. したがって, 光照射が十分に行えないと予想される場合にはレドックス重合による硬化まで光照射をひかえたほうが, より均一な高い反応率をもってレジンセメントを硬化させることができると結論した.