歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
マグネシアを主成分とするチタン専用埋没材に関する研究 ―熱膨張と鋳造体の適合精度との関連性―
根本 早春和田 美記子小幡 清夫下山 和夫楳本 貢三上新 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 15 巻 4 号 p. 276-282

詳細
抄録
成分中のジルコニウム粉末の酸化膨張を利用したマグネシアを主成分とするチタン専用埋没材の熱膨張を3種の熱膨張測定装置にて測定した. 測定試料は, 練和後2および24時間放置し, 2℃, 6℃, 10℃/minの昇温速度にて昇温させた. 測定結果は, 熱膨張測定装置により明らかに異なっていた. また, 試料作製後の放置時間および昇温速度の違いも熱膨張に影響を与えるという結果が得られた. ついで, これら熱膨張の測定と同条件により鋳造を行い鋳造体の浮き上がり量と熱膨張量を比較検討したがその結果はどの熱膨張測定装置の結果とも一致しなかった. さらに, 外側性の鋳造体の適合精度について影響を及ぼす因子の一つとして鋳型の圧縮強さが考えられる. 鋳型の強さは, 試料作製後放置時間の経過に伴い強くなっており, 適合性に鋳型の強さもなんらかの影響を与えているのではないかと考えられた.
著者関連情報
© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top