歯科材料・器械
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原著
チタン鋳造体の電気化学的腐食挙動 第1報 表面研磨の程度および溶液の種類の影響
三村 博史宮川 行男
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1996 年 15 巻 4 号 p. 283-295

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抄録
シリカ含有リン酸塩系埋没材の鋳型中でチタン鋳造体を作製した.多層構造の表面反応層を有するこの鋳造体の, 電気化学的腐食挙動に及ぼす表面研磨程度の影響を1%NaCl, 5%HClおよびpH4に調整した0.11%NaF溶液中で定量的に調べた. α-case層に位置するサンドブラスト面から最内層面に至るまでの4種類の面について評価した. さらに, チタン加工材の表面も対照として調べた. NaCl溶液中では, サンドブラスト面を除いたすべての面がほぼ同様で良好な耐食性を示した. チタンは, 500ppmF含有の溶液中では耐食性を示さないと判断された. HCl溶液中における耐食性は, 表面反応層が研磨処理によって除去されるほど良くなる傾向にあった. 鋳造体の最内層面の耐食性は加工したチタンと同等以上であった.
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© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
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