歯科材料・器械
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原著
支台歯用石こう模型の諸性質に及ぼす消毒液浸漬の影響 - 第3報 緩衝消毒液の効果 -
鬼塚 雅門川 明彦松下 容子自見 忠
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1996 年 15 巻 5 号 p. 379-388

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抄録
超硬質石こうが消毒液により被る被害を調べるために, 消毒液として, 3%グルタルアデヒド, 3%緩衝グルタルアルデヒドそして市販の2%緩衝グルタルアルデヒド, および水を用いた.結果はグルタルアルデヒドと水で表面粗さが増大した.しかし, グルタルアルデヒドのpHの調整で表面粗さの改善が認められた.SEM像では水浸漬試料の表面に多数の陥没が見られた.コントロールとして用いた未処理硬質石こうと比較して, 表面と同様に石こう結晶間の間隙が広がった.グルタルアルデヒド浸漬では溝周囲に多数の微細孔が出現し, 結晶の間隙および表面に顆粒状の沈着物が認められた.緩衝グルタルアルデヒド浸漬ではコントロールと比較して, ほとんど変化のない部分と結晶間が多数の顆粒状沈着物で被われたところ, そして表面が顆粒状沈着物で被われたところを認めた.市販の緩衝グルタルアルデヒド溶液は, 緩衝グルタルアルデヒドと同様の像であったが, 糸束状の結晶様沈着物が認められ, 表面粗さ結果とSEM像の結果とが一部異なっていた.
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© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
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