チクソトロピー現象の大きい合成雲母である, 膨潤性のスメクタイト2種SWN〔Na
0.33(Mg
2.67Li
0.33)Si
4O
10(OH)
2〕, SWF〔Na
0.33(Mg
2.67Li
0.33)Si
4O
10F
2〕をこの実験に用いた.濃度は0, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0%と変化させた.これらの液でクリストバライト埋没材を(標準混液比)練和したときの流動性, 硬化膨張率, 熱膨張率, 加熱前後の熱膨張差, 経時的な圧縮強さの変化, 加熱前後の圧縮強さを調べ以下の結論を得た.1.流動性では水が最もよく, 次がSWFであった.SWNは0.5%水溶液でも流動性が小さかった.2.硬化膨脹率では, スメクタイトの濃度が上がると硬化膨張率は大きくなった.また, その効果はSWNの方が大きかった.3.700℃における熱膨張率は水が最も大きく, 次がSWNであった.SWFは熱膨張率が小さくなった.4.圧縮強さではSWNの濃度を増すと強さは下がった.SWFではわずかに上昇した.また, 未加熱試料では濃度が増すと強さは下がり, 加熱試料では濃度が増すと上昇した.
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