歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
鋳造冠の厚さが適合性に及ぼす影響
荒川 仁志黒岩 昭弘
著者情報
キーワード: 金属, 埋没材, 適合性, 表面粗さ
ジャーナル フリー

1996 年 15 巻 5 号 p. 467-478

詳細
抄録
臨床における鋳造体の必要条件は内部欠陥, 外部欠陥がなく, 正確に適合することである.多くの研究者により各金属の適合についての検討を金型を用いて行われてきた.しかしそれらの鋳造体は臨床の鋳造冠と比較して厚いのが実情である.そこで本研究は各金属における鋳造冠の厚さが適合性に及ぼす影響について検討した.その結果, 以下の結論が得られた.1.鋳型を統一した場合, パターンの厚さが増加すると高融点の金属は鋳造収縮が大きく認められた.2.各埋没材にAg-Pd-Au合金を用い鋳造したとき, パターンの厚さの増加は適合性にほとんど影響しなかった.3.各埋没材に各金属を用い鋳造したとき, パターンの厚さの増加は, 埋没材の種類によって適合性に影響をしやすいものとしにくいものとが認められた.4.埋没材の硬化膨張と熱膨張測定装置によって得られた熱膨張量の値は必ずしも鋳造冠の適合と一致しなかった.
著者関連情報
© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事
feedback
Top