歯科材料・器械
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原著
長いアルキレン鎖を有するチイラン系モノマーによる歯科用貴金属合金の表面処理
門磨 義則
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1997 年 16 巻 2 号 p. 114-121

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抄録
貴金属合金に対する接着性モノマーを開発するために, 長いアルキレン鎖を有するチイラン系モノマーである9, 10-エピチオデシルメタクリレート(EP8MA)と10, 11-エピチオウンデシルメタクリレート(EP9MA)を合成した.金合金, パラジウム合金および銀合金の3種類の被着体合金を鏡面研磨してから, その表面にチイランの溶液を塗布して1日放置した.チイランの濃度が高い(1mol%)場合には, 余剰のチイランを除去するために表面を洗浄した.2個の合金の試料同士をMMA-PMMA系レジンで突き合わせ接着させてから, 熱サイクルを負荷後, 引張接着強さを測定した.チイラン中に存在する長いアルキレン鎖部分が貴金属合金に対するレジンの接着性に及ぼす影響をEP8MAやEP9MAの場合の接着強さを他の同族体のものと比較し, 検討した.長いアルキレン鎖を有するEP8MAやEP9MAは広範な接着試験条件下で安定した接着を生み出すことが明らかとなった.
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© 1997 一般社団法人 日本歯科理工学会
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