歯科材料・器械
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原著
重合開始剤成分として2-メチル-1, 3-シクロヘキサンジオンを用いたレジンによる象牙質の接着
石川 美保
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1997 年 16 巻 6 号 p. 458-471

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抄録

2-メチル-1, 3-シクロヘキサンジオン(MCHD)/アセチルアセトン銅(CAA)/ビニルベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド(VB14)を重合開始剤とするMMA/PMMAレジンによる象牙質の接着について検討した.2〜9%の塩化第二鉄を含む10%リン酸水溶液の前処理剤及びHEMAプライマーを用いた至適条件下では, 4-META-MMA/TBBレジンと同等以上の12.7〜17.6MPaの接着強さが得られた.重合開始剤成分, ヘキサンジオールジメタクリレート, あるいはグルタルアルデヒドをHEMAプライマーに添加すると接着の安定性も向上した.引張り接着強さ測定時に象牙質界面直上でレジンの凝集破壊が起こったが, それはその部分のレジンの残留モノマーが多くなるためであり, さらにこれはMCHD系レジンではレジン層が薄くなるとレジンの重合・硬化が著しく遅延するという現象と関連していることがFT-ラマン分光分析の結果から推察された.

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© 1997 一般社団法人 日本歯科理工学会
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