歯科材料・器械
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原著
接着性レジンセメントの開発に関する基礎的研究 (II) : フルオロホスファゼンモノマーの配合量とフッ素徐放量および物性
安斎 碕小林 弘毅吉橋 和江臼井 伸行小野内 真笹尾 道昭西山 實
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1999 年 18 巻 2 号 p. 95-101

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抄録
本研究は,フッ素徐放性の接着性レジンセメントの開発を目的としたものである.セメント液成分として,フッ素徐放性のフルオロホスファゼンモノマーをHEMAを主成分とした液に0,10,20および30wt%配合して,4種の液組成物を作製した.一方,粉末は,アルミノシリケートガラスを用いた.粉末と液とを練和してセメント硬化物を得た. フッ素徐放量およびその積算値は,いずれもフルオロホスファゼンモノマーの配合量が増加するにつれて増加した. 圧縮強さは,フルオロホスファゼンモノマーの配合量が増加するにつれて増加した. コバルトクロム合金,金銀パラジウム合金および18カラット金合金との引張接着強さは,フルオロホスファゼンモノマーの配合量が増加するにつれてわずかに低下する傾向を示した.吸水および溶解量は,フルオロホスファゼンモノマーの配合量が増加するにつれて,いずれも大きく減少した.
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© 1999 一般社団法人 日本歯科理工学会
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