2020 年 47 巻 4 号 p. 175-180
症例1:83歳男性。高血圧症と心房中隔欠損症の現病歴あり。動悸精査にて24時間ホルター心電図検査を施行したが心房細動を検出できなかったため,長時間ホルター検査を施行。14日間の記録期間中に137件の発作性心房細動が記録された。
症例2:58歳男性。雇用先の定期健診にて心房細動を指摘され受診。24時間ホルター心電図検査を施行したが心房細動を検出できなかったため,長時間ホルター検査を施行。14日間の記録期間中に31件,最長持続時間22.5時間の発作性心房細動が記録された。
発作性心房細動は日常診療において高頻度に遭遇する不整脈で,心源性脳塞栓症の原因の1つである。しかし,標準12誘導心電図や24時間ホルター心電図にて心房細動を捉える事が出来ず,診断に至らないケースが多くある。今回24時間ホルター心電図では検出し得なかった発作性心房細動を,最大2週間記録可能なパッチ型長時間ホルター心電図にて捉えることができ,なおかつ有症候性・無症候性双方のイベントを捉える事ができた2例を経験したので報告する。