2000 年 19 巻 3 号 p. 310-317
親水性ビニルシリコーンゴム印象材による模型の再現性に及ぼす印象の加熱滅菌処理の影響を, 印象厚さを変えて検討した.原型は両隣在歯を配したクラウン支台歯を摸したエポキシ樹詣製模型を, トレーは印象厚さが1, 3および5mmとなるように調整された3種類の寸法の金属製有孔トレーを使用した.加熱滅菌処理はオートクレーブ処理およびケミクレーブ処理によって行った.その結果, ビニルシリコーンゴム印象材では, いずれの印象厚さでも, 印象を加熱滅菌処理することにより模型に寸法変化や変形が生じることが分かった.また, 模型の再現性に及ぼす印象の加熱滅菌処理の影響は, 印象厚さによって異なった.