歯科材料・器械
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原著
コンポマーおよびコンポジットレジンの組成とそれら硬化体からのビスフェノールAの溶出
平林 茂平澤 忠西村 文夫
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2000 年 19 巻 6 号 p. 519-532

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抄録
本研究の目的は, 内分泌攪乱物質のひとつとされるビスフェノールA(BPA)の歯科用レジンにおける関与を明らかにすることであった.市販のコンポマー(Polyacid modified resin composites)4種およびコンポジットレジン4種の組成とそれら硬化体からのアセトニトリルおよび蒸留水中へのBPAの溶出をHPLCを用いて調べた.いずれの材料中にも, Bis-DMAモノマーは含有されていなかった.硬化体のアセトニトリル3日間の抽出で, Bis-GMAをベースモノマーとするコンポジェットレジン2種で151および178ng/gコンポジットのBPAが検出された.しかし, Bis-MPEPPを含有するコンポマー1種およびコンポジットレジン1種の硬化体からのBPAの溶出は認められなかった.同様に, Bis-GMA, Bis-MPEPPを含有しないコンポマー3種およびコンポジットレジン1種の硬化体からのBPAの溶出も認められなかった.また, 硬化体の蒸留水3日間抽出では, BPAの溶出は非常に少なく, いずれの材料からも検出されなかった.
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© 2000 一般社団法人 日本歯科理工学会
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