歯科材料・器械
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原著
歯科鋳造用非貴金属合金に関する研究 : (第1報)Niをベースとする合金の組織と添加元素の影響
若狹 邦男山木 昌雄
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1983 年 2 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
 歯科鋳造用非貴金属合金のなかで, Niをベースとする合金の組織と添加元素の影響を第1報で検討した.その結果, Ni-Mn 2元系合金の場合, 金属間化合物NiMnがinterdendritic region内に形成されるとともに, そのdendrite structureの二次のarm長さは30〜50 μmの幅広い範囲に分布した.Ni-Mn 2元系合金にCuを置換添加したNi-Cu-Mn 3元系では, dendrite structureの他にαCu-Mn共晶と金属間化合物NiMnのような複雑な組織が形成された.この3元系合金を基準として, Ag, SnおよびAl等の元素をそれぞれ単独に添加したとき, AgのAg-Cu共晶やSnによる金属間化合物Ni3SnやMn3Snの形成に比べて, Al添加の合金系では比較的単純なdendrite structure(Ni3Alが一部分見いだされた)が発生した.とくに, SnやAl添加の合金系では, Ni-Mn 2元系やNi-Cu-Mn 3元系よりも微細な2.5〜5.0 μm程度の二次arm長さをもつdendrite structureの発生することが判明した.
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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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