歯科材料・器械
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原著
コンポジットレジンからの溶出物の高速液体クロマトグラフィーによる分析 : (第1報)2ペースト型コンポジットレジンについて
宮崎 光治堀部 隆水上 義文井上 廣
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1983 年 2 巻 1 号 p. 8-17

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抄録
 市販の2ペースト型のコンポジットレジン3種(Clearfil, Silar, Isopast)を選び, それらの硬化物中に残留する成分の定性および定量分析を高速液体クロマトグラフィーにて試みた.
 その結果は以下の様である.
1) MeOH抽出液中で確認された成分はClearfil:15種, Silar:11種, Isopast:11種であり, それらのうち同定された成分は10種:TEGDMA, Bis-GMA, UDMA, GMA, DBP, BPO, TDEA, BA, BPA, Bis-GMA中間体であった.
2) 溶出物の中で高率を占めた成分はモノマーおよび可塑剤であり, 次いで触媒や合成原料などであった.
3) 1〜30日間の37℃水中浸漬中に溶出した成分は9種であり, それらの溶出傾向はTEGDMA>GMA, TDEA>BA, Bis-GMA中間体, BPA>Bis-GMA, UDMA, DBPの順序であった.
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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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