抄録
市販の2ペースト型のコンポジットレジン3種(Clearfil, Silar, Isopast)を選び, それらの硬化物中に残留する成分の定性および定量分析を高速液体クロマトグラフィーにて試みた.
その結果は以下の様である.
1) MeOH抽出液中で確認された成分はClearfil:15種, Silar:11種, Isopast:11種であり, それらのうち同定された成分は10種:TEGDMA, Bis-GMA, UDMA, GMA, DBP, BPO, TDEA, BA, BPA, Bis-GMA中間体であった.
2) 溶出物の中で高率を占めた成分はモノマーおよび可塑剤であり, 次いで触媒や合成原料などであった.
3) 1〜30日間の37℃水中浸漬中に溶出した成分は9種であり, それらの溶出傾向はTEGDMA>GMA, TDEA>BA, Bis-GMA中間体, BPA>Bis-GMA, UDMA, DBPの順序であった.