歯科材料・器械
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原著
象牙質の化学修飾と接着強さの関係 : 4-META/MMA-TBB系レジンの前処理象牙質への接着
水沼 徹中村 光夫中林 宣男
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1983 年 2 巻 4 号 p. 446-450

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抄録
4-META/MMA-TBB系レジンを接着剤に使用し, 新鮮抜去ウシ象牙質を10%クエン酸-3%塩化第二鉄溶液で30秒間洗浄(10-3洗浄)した場合の接着強さは18MPaを示す.しかし65%リン酸溶液でエッチングすると6MPaに低下する.一方, 25%グルタルアルデヒドで象牙質を処理した場合は, リン酸エッチングでは11MPaを示すが, 10-3洗浄した場合, 6MPaに低下する.以上の事実は象牙質への接着には, コラーゲンの性質が大きく影響することを示唆している.すなわち, 前処理に用いた酸によるコラーゲンの変性を防止できれば, 象牙質への接着強さが向上する可能性がある.
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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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