歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
Ag-8wt.%Cu合金のHanks液とEagleのMEM中での腐食挙動 : (その1)表面状態と重量変化
市野瀬 志津子
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 2 巻 5 号 p. 645-651

詳細
抄録
Hanks液, EagleのMEMにそれぞれ浸漬した組織構造の異なる歯科用ベース合金, Ag-8wt.%Cu合金の表面状態の変化を光顕および電顕によって観察するとともに成分元素の溶出や腐食生成物の折出に伴う重量変化を測定した.その結果, Hanks液に浸漬した試料では表面にAgClが生成され重量は増加した.これに対しEagleのMEMに浸漬した試料では表面に生成されるのはAg5P2O6Nであり, かつ重量は逆に減少することがわかった.組織構造によるちがいの影響はいずれの溶液に浸漬した場合においても重量変化および表面における腐食生成物の折出挙動のそれぞれに認められた.
著者関連情報
© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top