歯科材料・器械
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原著
接着性レジンセメントの開発に関する基礎的研究(III) -フルオロホスファゼンモノマーを液成分としたフッ素徐放性セメントの検討-
鬼頭 健二
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2002 年 21 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
本研究は, フッ素徐放性で, 接着性および物性の優れたレジンセメントを開発することを目的として, フッ素徐放性のモノマーを配合した接着性レジンセメントの液組成について検討した.すなわち, セメント液部にフッ素徐放性のフルオロホスファゼンモノマー(合成モノマー, P3N3(F)1(EMA)5)を市販モノマーに10.0〜40.0wt%配合し, 5種のセメント液組成物を作製した.硬化物からの経時的なフッ素徐放量, コバルトクロム合金, 金銀パラジウム合金および18カラット金合金との接着強さ, 硬化物の圧縮強さ, 吸水量および溶解量を測定した.フッ素徐放量およびその積算値は, セメント液成分として配合する合成モノマーの配合量が増加するにつれていずれも増加した.合金3種との接着強さは, 合成モノマーの配合量が増加するにつれて減少した.圧縮強さは, 合成モノマーを配合すると増加する傾向を示した.吸水量および溶解量は, 合成モノマーの配合量が増加するにつれていずれも大きく減少した.
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© 2002 一般社団法人 日本歯科理工学会
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