歯科材料・器械
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原著
フッ素によるリチャージング後のフッ素徐放性修復材料の特性
倉持 健一
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2003 年 22 巻 6 号 p. 485-495

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抄録

本研究では,酸性フッ素リン酸溶液の塗布がフッ素徐放性修復材料に及ぼす影響について検討を行った.実験にはグラスアイオノマー系材料の計3種類を使用した.各材料について円盤状試料を作製した.練和あるいは重合開始1時間後に,各試料を37℃イオン交換水中に21週間まで浸漬した.フッ素のリチャージングは,イオン交換水浸潰3, 6, 9, 12, 15, 18週後に酸性フッ素リン酸溶液を用いて行った.間接引張強さはイオン交換水浸漬24時間後に測定(ベースライン値)し,その後3週間ごとに測定した.実験に使用した各材料について,酸性フッ素リン酸溶液によるフッ素のリチャージングを繰り返し行うことによっても間接引張強さの測定値はコントロール値と比較して有意な差は認められなかった(p>0.05).本実験条件ではフッ素徐放性修復材料に対するフッ素によるリチャージングは表層に限局して侵襲を与えるが,材料自体の本質的な強さを劣化させないことが推察された.

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© 2003 一般社団法人 日本歯科理工学会
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