抄録
本実験の目的は前装用レジンと金属との安定した接着耐久性を得ることであり,前装用レジンと金属の熱膨張係数の相違が両者の接着耐久性に及ぼす影響について検討した.すなわち,金銀パラジウム合金(AgPd)をプライマー処理および4-METで電着処理し,AgPdの熱膨張係数との差が小さい前装用レジン(エステニア,ES),あるいは大きい熱膨張係数の前装用レジン(グラディア,GR)で接着させ,サーマルサイクル試験を行ってそれらの接着耐久性について検討を行った.その結果,接着耐久性は,AgPdと熱膨張係数との差が小さいESの方が,差が大きいGRよりも高く,接着強さおよび接着耐久性は,4-MET電着処理の方がプライマー処理より高かった.