歯科材料・器械
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原著
歯科用金属材料の凝固区間における組織に関する研究
永沢 栄吉田 貴光寺島 伸佳溝口 利英新納 亨早野 圭吾竹内 賢矢ヶ崎 裕伊藤 充雄
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2006 年 25 巻 3 号 p. 205-213

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抄録
金銀パラジウム合金,陶材焼付用合金2種類(KIK-H II,Degubond-J2)とタイプIII金合金を用いて,溶融時ならびに凝固時における金属組織の変化と成分元素の分布状態について検討した結果,以下の結論に達した.1.歯科用合金は,初期溶融時に固相の一部が微細な結晶となって生成し,その後,液相に融けることによって結晶は消滅する.2.凝固時には,液相点近傍の結晶組織が安定的に成長し,固相点になってもその組織構造が維持される.3.凝固時の冷却速度が遅い場合,Snのような融点の低い成分の極端な偏析が生じるため,偏析のない鋳造体を作成するためには,冷却速度のコントロールが重要と考えられた.
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© 2006 一般社団法人 日本歯科理工学会
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