歯科材料・器械
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原著
イオンプレーティングの歯科修復物への応用に関する研究 : 第1報 TiNイオンプレーティングについて
吉成 正雄
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1984 年 3 巻 1 号 p. 71-78

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抄録
TiNイオンプレーティングを各種合金に施し, 変色試験, 摩耗試験および曲げ試験を行った.(1)TiN膜の色彩的性質は, JIS標準色票において, ほぼ2.5Yの色相を有し, 明度は約6, 彩度は約4であった.(2)TiNをプレーティングすることによって合金の耐変色性が改善された.(3)TiN膜の摩耗は, 摩耗最大深さがプレーティング膜の厚さ以下であれば, 被処理材の機械的性質の影響を受けなかった.(4)各種材料に対するTiN膜の摩耗は, TiN膜, porcelainおよびenamelのような無機材料に対しては大きく, Type IV金合金やNi-Cr合金のような金属材料に対しては小さかった.(5)TiN膜に対する各種材料の摩耗は, Ag-IN合金, porcelainの摩耗が大きく, Type IV金合金, Ni-Cr合金およびenamelの摩耗は比較的小さかった.(6)0.3mmのAg-Cu合金の両側に3μmのTiNをプレーティングした複合材料は, 曲げ試験において, 弾性係数が20%, 耐力が50%上昇した.
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© 1984 一般社団法人 日本歯科理工学会
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