歯科材料・器械
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原著
各種弾性印象から作られた間接法模型の精度に関する研究 : 第1報 間接法模型の表面精度に関する評価
堤 千鶴子
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1984 年 3 巻 5 号 p. 623-635

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抄録
本研究は種々の印象材と模型材の組合せでできた模型面の精度について, 従来の細線再現性試験と新しく採用した圧痕再現性試験とを併用し, 詳細なる再検討を加えながら併せてこれら精度試験の妥当性について考察した.その結果, 次の結論が得られた. 1. エラストマー系印象材はどの模型材と組合せても優れた表面精度を示したが, 新しく開発されたシリコーン・アルジネート複合印象材及びアルジネート印象材では表面精度は不良であった.寒天あるいは寒天アルジネート連合印象では注入する模型材によってその表面精度に大きな差が現われた. 2. 模型の表面精度には模型表面の結晶の形, 大きさ, 結晶間空隙等の結晶構造が大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった. 3. 細線再現性試験に比べて圧痕再現性試験は模型の表面精度を遥かに精細に比較検討できることが判明した.
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© 1984 一般社団法人 日本歯科理工学会
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