抄録
歯科用高融点金属の密度を室温から約1700℃までの広い温度範囲にわたって測定するための装置を作製した.この装置は河合等1が報告した静滴法に基づく測定装置に改良を加えたもので発熱体に黒鉛を使用し, 試料の自発光が強い高温域においても尖鋭なシルエット像が撮影できるように光学系設備の充実を図った.また投影機, デジタイザ及びマイクロコンピュータを連動させた画像解析装置を組み, 解析に伴なう誤差因を検討したところ, 解析誤差は0.08%以下であった.本測定装置及び解析装置による純ニッケルの密度実測結果は極めて良好で, 本測定手法が歯科用高融点金属の熱収縮に関する基礎データを蓄積するうえで有用であることが実証された.