歯科材料・器械
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原著
可視光線重合型コンポジットレジンの硬化深さに影響を及ぼす諸因子について
平林 茂平澤 忠中西 敏
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1984 年 3 巻 6 号 p. 719-729

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抄録
可視光線重合型コンポジットレジンは, 従来の化学重合型コンポジットレジンとは異なり, 材料の表面下のある深さまでしか硬化せず, また, この硬化深さは種々の因子により変化する。そこで, 本報では, この硬化深さに影響する諸因子について検討した。同一材料でも, レジンの色調により硬化深さは異なり, 色調により照射時間を調節する必要を認めた。照射時間を長くすることにより, 硬化深さは深くなった.また, 光照射器の照射の仕方にも影響を受け, 照射距離が短いほど, 硬化深さは深くなり, 照射器の照射ロッドの中央部で照射するのが最適と認められた.さらに, 窩洞の材質にも影響され, 光透過性のある象牙窩洞で重合したときの硬化深さは, 光透過性の全くないステンレス製窩洞で重合したときの約1.2倍となった.
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© 1984 一般社団法人 日本歯科理工学会
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