歯科材料・器械
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原著
歯科用印象材の印象圧に関する研究 : 第1報 測定装置の考案および印象圧の定量化について
田辺 直紀内田 博文有馬 嗣雄土生 博義
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1985 年 4 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

印象圧を印象材の観点から定量化するために, 印象材が原型を圧接する時の圧接力を測定する装置を考案した.そしてこの装置によって得られた圧接力の変化から, 最終(最大)圧接力を印象圧として定量化して検討した.材料は2種類のアルジネート印象材で, これらを標準条件で使用し, トレー(密閉型, 開孔型), 練和粉末量(5g, 10g), 練和時間(30秒, 60秒), 圧接速度(50mm/min, 100mm/min)を変化させて測定した.その結果, 圧接力は印象材の種類によって異なり, 圧接力の発現様式はトレーの型によって異なり, 最大圧接力が印象圧定量化の基準となり得ることが示唆された.そして印象圧は, 練和粉末量と練和時間との変化に有意な差は認められなかったが, トレーの型には高度な有意差が認められ, とくに密閉型トレー使用の際には, 圧接速度が影響を与える製品もあった.

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© 1985 一般社団法人 日本歯科理工学会
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