歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
熱可塑性エラストマー印象材の分子設計と試作 : I.ポリカプロラクトン-ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマーの合成
荒木 吉馬細谷 誠川上 道夫中西 道夫
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 4 巻 2 号 p. 125-133

詳細
抄録
熱可逆性をもつ新しいタイプのエラストマー印象材(熱可塑性エラストマー印象材)を開発するため, その成分ポリマーとしてポリカプロラクトン-ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマーを分子設計し合成した.分子末端に水酸基をもつポリカプロラクトン(単官能および2官能)と, 同じく水酸基(2官能)をもつポリ(ジメチルシロキサン)とをつなぐために, α, ω-ビス(ジメチルアミノ)オクタメチルテトラシロキサンをカップリング剤として使用した.その結果, 常温においてゴム弾性をもち, カプロラクトン・セグメントの融解温度55℃以上において, 賦形可能な状態になるブロックコポリマーが得られた.ブロックコポリマーの動的剛性率は25℃において, 0.2〜0.5MPa (20〜70Hz) であった.溶融粘度は分子量によって変化し, 2sec-1以上では分子量が高いもので900Pa・s以下, また分子量が低いもので200Pa・s以下であった.
著者関連情報
© 1985 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top