抄録
熱可逆性をもつ新しいタイプのエラストマー印象材(熱可塑性エラストマー印象材)を開発するため, その成分ポリマーとしてポリカプロラクトン-ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックコポリマーを分子設計し合成した.分子末端に水酸基をもつポリカプロラクトン(単官能および2官能)と, 同じく水酸基(2官能)をもつポリ(ジメチルシロキサン)とをつなぐために, α, ω-ビス(ジメチルアミノ)オクタメチルテトラシロキサンをカップリング剤として使用した.その結果, 常温においてゴム弾性をもち, カプロラクトン・セグメントの融解温度55℃以上において, 賦形可能な状態になるブロックコポリマーが得られた.ブロックコポリマーの動的剛性率は25℃において, 0.2〜0.5MPa (20〜70Hz) であった.溶融粘度は分子量によって変化し, 2sec-1以上では分子量が高いもので900Pa・s以下, また分子量が低いもので200Pa・s以下であった.