歯科材料・器械
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原著
機械練和によるリン酸亜鉛セメントの性質について : 第3報 規格試験成績の相互関係
久賀 嘉代子鈴木 暎宮治 俊幸
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1986 年 5 巻 1 号 p. 39-46

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抄録
歯科用リン酸亜鉛セメントについて, 既に報告した機械練和方式を採用して, 日本工業規格(JIS), アメリカ歯科医師会規格(ADAS), 国際標準化機構(ISO)規格試験の相互関係を調べた.統計解析にはStudentのt-testを用いた.使用したセメントは, 而至社製Crown Brideg & Inlay Cement(以下BBと略す)と, 而至社製Elite Cement 100(以下Eと略す)で, その粉液比は次の通りである;BB3.0g/1.0ml, E2.8g/1.0ml.1.稠度は, 標準稠度ではISOと比べて, JIS, ADASともに8%低い値となる.ISOと比較して, JIS, ADASによる値はBBでは危険率5%で, またEでは危険率1%で有意差が認められる.2.硬化時間は, いずれの場合でも長い.ISOではJISならびにADAS(有意差はない)と危険率1%で有意差が認められる.3.圧縮強さは, いずれの規格にも適合する.Eの, JIS, ADAS間でのみ危険率5%で有意差が認められる.4.被膜厚さは, いずれの規格にも適合する.BBの, JISでADAS, ISOと比較して危険率5%で有意差が認められる.5.崩壊率は, いずれの規格にも適合する.BB, EともにJIS, ADAS間で危険率5%で有意差が認められる.
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© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
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