抄録
本研究ではコンポジットレジンの着色に及ぼす研磨の影響を調べ, 圧接面や研磨処理面への染色液の着色と浸透度とを観察した.4種のレジンを用い(1)圧接面(2)white point研磨面(3)仕上げ研磨面の3種類のレジン表面を作製し, それぞれ60日間の0.2%フクシン溶液による着色をAdamsのL, a, bによる色差値ΔEで求め, また, これらの薄切切片観察による着色層を測定した.その結果, 仕上げ研磨面の着色が最も少なく, 圧接面, white point研磨面の着色が大であった.圧接面は60日後, 超音波洗浄を施してもほとんど着色の減少は起こらなかった.着色層の厚さも同様で仕上げ研磨面が最も薄い結果となった.全ての処理面において色差値が高い材料程, その着色液の浸透度が大きく, 両者に相関が認められた.一方, 疎水基を有するMicrorestの着色は少なく, 着色層も全材料中最小であった.