歯科材料・器械
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原著
コンポジットレジンの着色に関する研究 : 染色液によるレジン着色とその浸透性に及ぼす研磨の影響について
佐藤 尚毅勇木 映佐藤 淳子甲斐 真貴子新谷 英章井上 時雄
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キーワード: 着色, 色差値(ΔE), 浸透
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1986 年 5 巻 2 号 p. 196-202

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抄録
本研究ではコンポジットレジンの着色に及ぼす研磨の影響を調べ, 圧接面や研磨処理面への染色液の着色と浸透度とを観察した.4種のレジンを用い(1)圧接面(2)white point研磨面(3)仕上げ研磨面の3種類のレジン表面を作製し, それぞれ60日間の0.2%フクシン溶液による着色をAdamsのL, a, bによる色差値ΔEで求め, また, これらの薄切切片観察による着色層を測定した.その結果, 仕上げ研磨面の着色が最も少なく, 圧接面, white point研磨面の着色が大であった.圧接面は60日後, 超音波洗浄を施してもほとんど着色の減少は起こらなかった.着色層の厚さも同様で仕上げ研磨面が最も薄い結果となった.全ての処理面において色差値が高い材料程, その着色液の浸透度が大きく, 両者に相関が認められた.一方, 疎水基を有するMicrorestの着色は少なく, 着色層も全材料中最小であった.
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© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
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