歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
アパタイトの物理化学的特異性に関する研究 : 第5報 Ca/P供給比の異なるフッ素化アパタイトの合成
岡崎 正之高橋 純造木村 博
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 5 巻 2 号 p. 203-208

詳細
抄録
カルシウム-リン供給比(Ca/P)fを広範囲に変化させることによってフッ素化アパタイトを合成した(80℃, pH7.4).カルシウム-フッ素供給比をフルオロアパタイトの理論値(Ca/F)f=5と一定にしているにもかかわらず, フッ素の取り込みは(Ca/P)f<1.67できわめて抑制され, (Ca/P)f=1.67の試料ではフルオロアパタイトの理論値に近い値を示したのに対し, (Ca/P)f=0.1の試料ではその約半分しかなかった.一方, a軸の格子定数, 結晶性および溶解性は, (Ca/P)f=1.67一定にし異なるF供給量のもとで合成したフッ素化アパタイトが示す曲線に沿ってほぼ変化した.これらの結果は, フッ素化アパタイトの物理化学的特性が他のイオンより, いかに強くF含有量によって支配されているかを示唆している.
著者関連情報
© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top