歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
グラスアイオノマーセメントの歯質接着性に関する研究
東野 信男
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 6 巻 4 号 p. 449-464

詳細
抄録
グラスアイオノマーセメントの歯質接着性の特性を明らかにする目的で以下の実験を行った. 即ち, 被験歯の抜去後の保存期間, 接着時の環境湿度, 及びスメアー層がグラスアイオノマーセメントの歯質に対する接着強さにおよぼす影響を検討した. 以上の実験より, 以下の結果を得た. 1.グラスアイオノマーセメントのヒト象牙質に対する接着強さは, コンポジットレジンを使用した場合とは異なり, 被検象牙質の抜去後の保存期間にあまり大きな影響を受けなかった. このことよりin vivoにおいてもin vitroと同程度の接着強さを示すものと推測する. 2.グラスアイオノマーセメントの歯質に対する接着強さは, 接着時の環境湿度の影響により接着強さをわずかに変化させた. しかしながら, コンポジットレジンの場合に比べて受ける影響は少なかった. 3.象牙質表面のスメアー層を除去すれば, グラスアイオノマーセメントの象牙質に対する接着強さはわずかに増加した.
著者関連情報
© 1987 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top