歯科材料・器械
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原著
硬質レジン前装冠用FRPフレームの開発に関する研究 (第1報)臨床への応用の可能性について
木村 博寺岡 文雄游 本淵
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1988 年 7 巻 2 号 p. 258-261

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抄録
光重合型のプリプレグを用いてFRP製の硬質レジン前装冠用フレームを試作し, 臨床への応用の可能性について検討した.FRPフレームと光重合型硬質レジンとの剪断接着強度は約100kgf/cm2であった.FRPフレームはリン酸亜鉛系, カルボキシレート系およびグラスアイオノマー系セメントとはほとんど接着しなかった.しかし, レジン系セメントとは良く接着し, 特に, スーパーボンドC&Bとの接着強度は240kgf/cm2であった.FRPフレームと支台歯模型との適合性は優れ, マージン部の浮きもほとんど見られなかった.FRPフレームは操作性や修理および調整が簡単で, メタルフレームよりも作業性に優れていた.FRPフレームは着色が容易で, 硬質レジンとの接着性も優れているため, オペーク色レジンやリテンションビーズは不用であった.これらのことから, FRPフレームは硬質レジン前装冠用フレームとして臨床への応用が可能であることがわかった.
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© 1988 一般社団法人 日本歯科理工学会
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