歯科材料・器械
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プリフォーム圧縮成形法による義歯の製作 : その2 模型材の開発と適合性
木村 博寺岡 文雄斎藤 嘉宏田村 雅樹
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1989 年 8 巻 1 号 p. 97-102

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抄録
ポリスルフォン床義歯を作製する方法として, プリフォーム圧縮成形法を開発したことを前報で報告した.本報では, プリフォーム圧縮成形法に使用可能な模型材を開発するため, 成形型の作製条件および模型材の膨張量と, 成形したポリスルフォン床義歯の適合性や, 人工歯の移動量について検討した.成形型の温度を270℃以上にすれば, クリストバライト-石膏系成形型の膨張量は, ほぼ平衡状態になった.模型材を22wt%コロイダルシリカで練和すれば, 成形加熱条件下で圧縮強さの高い模型が得られた.人工歯の移動量は, 模型材の膨張量に依存せずほぼ一定であった.人工歯の移動量は加熱重合レジンで作ったアクリル床義歯の値と同程度であった.ポリスルフォン床義歯の適合性は, 模型材の凝結膨張0.30%程度, 20℃における総膨張1.05〜1.10%で良好となることが分かった.
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© 1989 一般社団法人 日本歯科理工学会
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