発達心理学研究
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主観的な感覚としての人格特性的自己効力感尺度(SMSGSE)の開発
三好 昭子
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2003 年 14 巻 2 号 p. 172-179

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抄録
本研究では人間の主観的な感覚に焦点を当て,たいていのことはできるような気がするという感覚そのものを直接的に測定する主観的な感覚としての人格特性的自己効力感尺度(the Scale Measuring aSense of Generalized Self-Efficacy, 以下, SMSGSE)を作成した。これは,人間の内にある「主観的な感覚としての人格特性的自己効力感」(a Sense of Generalized Self-Efficacy, 以下,主観的な感覚としてのGSE)を反映して外に表れる行動特性を測定するための尺度ではなく,内にある主観的な感覚としてのGSEそのもの,すなわち全般的感覚レベルのGSEを測定するための尺度である。研究1では224名の大学生を対象に質問紙調査を実施し,SMSGSEの信頼性と妥当性について量的に検討した結果,SMSGSEは男女によって平均値に違いのない安定した1因子構造であり,信頼性も高かった。さらに内容的妥当性,構成概念妥当性,基準関連妥当性も高く,6項目の洗練された尺度であることが示された。研究2ではSMSGSE得点の高・中・低得点群,各5名,3名,4名を対象に面接調査を行った。その結果,SMSGSEは日常生活におけるひとりひとりの人間の主観的な感覚としてのGSEを適切に測定しており,併存的妥当性の高いことも示された。今後SMSGSEは,主観的な感覚としてのGSEを測定するために利用されることが期待される。
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© 2003 一般社団法人 日本発達心理学会
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