日本歯科麻酔学会雑誌
Online ISSN : 2433-4480
総説
これからの歯科麻酔科医
深山 治久
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2024 年 52 巻 2 号 p. 80-85

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抄録

【要旨】 本学会の若手の先生方は各大学に所属して歯科麻酔学の研究・教育・臨床に携わっていると思う.その後,本学会認定医・専門医を取得し,1)大学に残り研究,教育,臨床に携わる,2)病院歯科や種々の診療施設で歯科麻酔の知識・技術を活かす,3)歯科を開業して,それまで培ってきた安全な診療を目指す,4)求めに応じて鎮静や全身麻酔を出張して行う,の4通りがあるかと考える.一方,1)や2)ではスタッフ数は限られていたり削減するような情報があり,近い将来増えるとは思えない.3)の歯科開業では,一般歯科診療に多忙を極めるため,これまで専心してきた麻酔業務になかなか時間を割けないとの声を聞く.また,4)はビジネスとして将来も安定して依頼があるかが不明確と想像する.以上,せっかく数年かけて歯科麻酔を専攻した若手が活躍する場は見つけにくいと感じられる.それまでの歯科麻酔の知識・技術を活かせ,できれば相応の報酬が得られる職場を提示できれば,優秀な人材を多数集めることにつながるだろう.

 そこで,近年注目されている訪問診療は,歯科麻酔の知識・技術が大いに役立つと考える.診療所や病院に来られない方を診療しているので,ASA Ⅲはもちろんのこと,Ⅳの症例に遭遇し,全身状態評価やモニタリングを応用できる.歯科麻酔科医の活躍の場に訪問診療を加えれば,安全な歯科診療に大きく貢献できるだろう.そのためには,現場で歯科診療のできる歯科麻酔科医が求められる.若手の先生方には一般診療の技術の向上を目指していただきたい.

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© 2024 一般社団法人日本歯科麻酔学会
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