人間工学
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短報
栄養状態評価のための下腿周囲長メジャーの人間工学的デザイン
下村 義弘勝浦 哲夫
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キーワード: 高齢者, 栄養, 計測, 下腿最大囲
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2012 年 48 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
低栄養患者に対して栄養サポートチーム(NST)によるチーム医療が展開されている.NST介入の必要性を判断するための標準的な方法として,MNA(Mini Nutritional Assessment)が用いられる.MNAに含まれる指標である下腿周囲長(Calf Circumference;CC)について,計測誤差やデバイスのデザインについての検討は皆無であった.本研究では,CC計測用メジャーテープを人間工学的に設計・製作した.設計の主眼は,下腿の長軸に対する直交性,メジャーを引く力の統制,重力に対するテープのたわみにくさと最大周径の狙いやすさ,であった.24名の被験者によって従来製品と新案の比較実験を行った.その結果,新案において個人内・個人間誤差は30~40%程度減少し,測定に要する時間は平均17.4秒から10.3秒に減少した.主観評価も含めて新案は総合的に高いユーザビリティを示した.人間工学的デザインは栄養アセスメントに一層の信頼性をもたらすだろう.
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© 2012 一般社団法人 日本人間工学会
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