2012 年 48 巻 2 号 p. 79-85
人の心理量を容易に計測することは難しい.しかし,それが可能になれば自身の意思表示が苦手な人や身体が不自由な人などとコミュニケーションが必要な教育機関や病院など,様々な場面で有益となるはずである.入院患児の心理量を容易に知ることができれば,子どもの心に則した効果的な処置・治療が可能である.しかし,現状では,看護師による患児の行動や言動の観察がほとんどであり,客観的・定量的に評価できるツールは見当たらない.そのため患児への負担はもとより,看護師の経験によるところが大きい.看護側から患児の心理を,直接的・客観的に評価することのできるツールの開発が求められる.そこで本研究では,子どもの心理的変化量を物理的変化量から定量的に置き換え,評価ができるツールを開発することを目的として,その有効性の検証を行ったので報告する.