人間工学
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原著
筋電図と関節角度に基づく作業負担の総合評価法に関する基礎的検討
茅原 崇徳肥田 拓哉南 博貴瀬尾 明彦
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2012 年 48 巻 5 号 p. 244-254

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抄録
筋電図と関節角度を用いて総合的な作業負担を定量的に評価する手法を提案した.具体的には,作業負担の総合評価を多目的最適化問題として定式化し,最適解を応用して作業負担の総合評価指標を作成した.提案した手法を冠状面に垂直な方向に対する押込み作業の評価に適用し,提案手法の有効性を検討した.押込み作業の水平位置と垂直位置を設計変数とし,それらを変化させて被験者10名の8箇所の筋電図と12自由度の関節角度を計測した結果,各筋電図や各関節角度の定性的な傾向が一致せず,トレードオフの関係にあることを確認した.また,各被験者の最適解の水平位置は被験者の右側に集中しているが,垂直方向は被験者間のばらつきが大きいことを定量的に評価した.さらに,被験者全体での作業負担の総合評価指標を作成し,被験者の正面から右側で,かつ腰高から肘高までの範囲が総合的な作業負担が比較的低いことを確認した.
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© 2012 一般社団法人 日本人間工学会
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