人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
原著
パーキンソン病患者の椅子からの起立動作の特徴
北村 奨悟村木 里志大江田 知子澤田 秀幸田原 将行植田 能茂渡久地 政志
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 50 巻 5 号 p. 265-270

詳細
抄録

本研究は,パーキンソン病患者の起立動作を補助する椅子の設計を目的に,健常者との比較から,パーキンソン病患者の起立動作における関節角度および筋活動の特徴について検討した.被験者はパーキンソン病患者12名および健常者12名である.被験者に肘かけの着いた椅子から起立動作を行わせ,動作中の関節角度(股,膝,足関節),下肢筋活動(大腿直筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋)および床反力を測定した.その結果,各関節の伸展開始タイミングならびに最大屈曲角度には病気の影響は見られなかった.一方,下肢の筋活動では,パーキンソン病患者は前脛骨筋の活動開始から大腿直筋の活動開始までの時間が短くなり同時に活動を開始していた.以上のことから,パーキンソン病患者は特に筋活動の開始の順序に特徴が現れることが示唆された.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本人間工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top