人間工学
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原著
自動車運転時における外部情報処理からの復帰時間に関する基礎研究
末長 修中村 友樹劉 緒晟
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2015 年 51 巻 1 号 p. 62-70

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抄録

ドライバは,車載情報機器の操作後,注意資源が十分に運転操作に戻らず,運転に支障をきたすことがある.これらは持続的注意転導効果と呼ばれている.本研究はこの時間的評価値の一つとして,復帰時間について実験的検討を行った.実験は二重課題法による.主課題は簡易な運転シミュレータを用いた運転課題であり,副課題は実験画面に提示される計算問題に対する暗算課題であった.復帰時間は暗算課題の解答後から運転課題に戻るまでの時間と定義した.この復帰時間により持続的注意転導効果を直接評価することはできないが,復帰時間と暗算課題(提示位置,難度)との関連,さらに持続的注意転導効果に関する事前教育との関連を検討した.その結果,復帰時間は暗算課題の難度とともに長くなるものの,事前教育に起因した,運転課題に速やかに復帰しようとする被験者の意図により,復帰時間を短くできる可能性を見出した.以上より,被訓練者への持続的注意転導効果に関する事前教育は,交通事故の予防安全に役立つと期待される.

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© 2015 一般社団法人 日本人間工学会
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