人間工学
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原著
ベイジアンネットワークを用いた人的過誤要因の構造化について
-米国航空業界の自発報告制度を利用した航空機整備作業に係わる人的過誤要因の構造化について-
小嶋 二郎高野 研一
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2018 年 54 巻 1 号 p. 24-32

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抄録

現在,民間航空ジェット機の死亡事故率は限りなく“ゼロ”に近い.さらに“ゼロ”に近づけるには,日々の運航における安全に係る大量の情報の収集,分析,改善が重要となる.ASRSでは,航空機の整備に係わる人的過誤事例も収集されているが,気づきの能力を向上するための事例紹介が主な活用方法になっている.

本研究では,大量に報告される人的過誤事例の要因を,ベイジアンネットワークを用いて要因間の因果関係を構造化する方法について述べた.また,ベイジアンネッワークは人的過誤要因の発生確率も推定できる.人的過誤に至る要因間の関係の定性的側面と要因の発生確率の定量的側面の両面から,人的過誤抑制の鍵となる要因を明確にした.本研究は,航空機整備における人的過誤発生の新たな知見を生み出し航空機事故撲滅へ貢献できる有用性の高い提案である.

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© 2018 一般社団法人 日本人間工学会
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