人間工学
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原著
周辺視野を活用した目視検査における検査対象面の輝度が欠点検出に及ぼす影響に関する研究
中嶋 良介鈴木 邑佳肥田 拓哉松本 俊之
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2018 年 54 巻 1 号 p. 14-23

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抄録

本研究では,周辺視野を活用した目視検査において検査環境の違いによる検査対象面の明るさの相違が欠点検出に及ぼす影響について検討するため,検査対象面の輝度と欠点の配置,および欠点の特徴(輝度コントラストと大きさ)を変動要因とする実験を考案し,これらが周辺視野での欠点検出に及ぼす影響について実験的に評価した.その結果,欠点検出率は欠点が存在する視野領域にかかわらず検査対象面の輝度が50 cd/m2で低くなり,100~250 cd/m2間であれば同程度に高くなることが明らかになった.特に,先行研究で提案されている欠点自体の視認性を評価する指標である欠点の面光度が0.21~0.34の場合,その傾向が顕著にあらわれることがわかった.以上のことから,実際の目視検査工程で精度の高い目視検査を実現するためには,欠点の許容限度の面光度に合わせて検査対象面の輝度が低くならないように検査環境を適切にコントロールすることの必要性が示された.

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© 2018 一般社団法人 日本人間工学会
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