2019 年 55 巻 6 号 p. 247-253
多重課題の難易度を3段階に設定した実験1と6作業(セルフペースおよびマシンペース(2回)暗算,レイブン・プログレッシブ・マトリックス・テスト,埋め込み図形テスト,鏡映描写)を用いた実験2において,NASA-TLXの重み付け平均値(WWL),下位尺度の単純平均値(RTLX),適応重み付け平均値(AWWL)の3つの指標間および重み係数と下位尺度(順位値)の相関を検討した.その結果,指標間には非常に高い相関が得られ(実験1:WWL-RTLX .84,RTLX-AWWL .96,WWL-AWWL .88.実験2:RTLX-WWL .95,RTLX-AWWL .98,WWL-AWWL .96),重み係数と下位尺度の相関は実験1で.73 (ns),実験2で.83 (p<0.05)となり,一対比較を行わないRTLXとAWWLの有用性が示唆され,AWWLはRTLXよりも感度が高い可能性が示唆された.