人間工学
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オープンデータ
休業4日以上の労働災害における転倒原因
-月ごとの集計からみた特徴-
大西 明宏
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キーワード: 転倒, 労働災害, 滑り, 季節影響,
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2020 年 56 巻 3 号 p. 101-107

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抄録

本研究は労働災害における転倒の原因と季節影響を把握することを目的とした.厚生労働省がウェブにて公開している2011年および2012年の休業4日以上の死傷病報告からおおよそ四分の一を無作為に抽出した事故の型が転倒のデータを用い,各事例の発生状況を精読し,キーワード抽出により,滑りやつまずき,踏み外し等の転倒原因を発生月ごとに集計した.その結果,滑りが全体の4割以上で最も多く,これに続いたつまずきは2割に届かず,踏み外しは1割未満であり,これら両年の傾向は類似していた.また,滑りによる転倒は12月から2月に多発しており,とりわけ凍結によるものが多いこと,さらにこの凍結面での滑りの多さは平均気温偏差との関連性がうかがえた.ただし本研究が対象としたデータには都道府県あるいは市町村名の情報がなかったことから地域差は特定できなかった.これらの結果により,滑りによる転倒への対策を優先すること,とりわけ冬季の対策をすべきであると示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本人間工学会
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